オーナー経営の強み − ユニチャーム

ベビー・生理用品大手のユニ・チャームが海外進出を加速している。中国・東南アジアで攻勢を強めるほか、手つかずだったアフリカ・南米市場への参入の準備を進めている。2001年に創業者である実父から社長を引き継いだ高原豪久氏は就任後に連結売上高を2倍、時価総額を約4.5倍に引き上げており、経営手腕への評価は高い。高原社長に今後の経営戦略などについて聞いた。
(日経ヴェリタス2012年9月2日10面)

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以下、インタビュー記事からオーナー経営の強みについて、高原氏が語っている部分を抜粋します。

「自分で言うのも何ですが、オーナー経営にはプラスの部分が相当あると思っています。意思決定者が1人なので左に進むのか、右に進むのかを決めるのは速い。正しい判断をする確率を高めるため、私はずっと仕事のことを考えています。」

「オーナーは長期の視点で経営できるので、平気で10年計画を立てられます。」

「証券アナリストから株主のことをしっかり考えないのかと言われれば、私が最大の株主ですと答えます。株主価値を最大化する方法を私自身が常に考えているのですから。これこそオーナー経営の強さです。」(前掲紙)

確かにオーナー経営にプラスの部分があるのは事実でしょう。しかし、一方でオーナー経営者が、少数株主の利益を犠牲にしても、自己の利益の追求に走る場面を、いろいろな会社で見てきたことも間違いありません。

ガバナンスに関しては、オーナー経営者の資質に頼らず、ノーを言える体制をオーナー自らが作ることが肝心であると思います。

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