フランス、給与支払に課す税3年控除

フランス政府は6日、国内産業を立て直すための競争力強化策を発表した。2013年から3年間で企業の労働コストの負担を200億ユーロ(約2兆400億円)減らすのが柱。税収減は2014年からの付加価値税引き上げと、公的支出削減で穴埋めする。政府は仏産業の地位低下に危機感を抱いており、改革で競争力や雇用確保につながる狙いだ。
(日本経済新聞2012年11月8日11面)

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「労働コストの削減は、企業が従業員に支払う給与に課される給与税を一定の割合で控除することで実現。1年目に100億ユーロ、2、3年目でそれぞれ50億ユーロを控除する。給与税は企業が負担しており、仏政府によると、全労働コストの6%引き下げに寄与する」(前掲紙)

日本でも、源泉税の減免、又はこれに見合う補助金の支給という形で労働コストを引き下げることが可能であると思います。源泉税の負担者は従業員で、会社はこれを源泉徴収し、従業員に代わって国に納付しているだけなのですが、従業員から見ると自らが所得税を支払っている意識は希薄で、重要なのはあくまで手取りがいくらか、ということです。

源泉税の減免に相当する部分だけ給与の額面が減ったとしても、手取りが変わらないのであれば、従業員にしてみればあまり問題にならないと思います。

「仏産業界からは「労働コストの高さの改善や、雇用の柔軟化確保が重要」(仏ルノーのゴーンCEO)との声が高まっていた」(前掲紙)

日本でも全く同じことが言えます。特に最近の家電業界のリストラを見ても、終身雇用を前提にした日本的経営システムを維持することはもはや不可能なことは明らかで、人材の流動化を国として支える仕組みが必要です。

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