法人税が税制改革の焦点に

企業が支払う法人税が税制改革の焦点に浮上してきた。阿部晋三政権が日本経済再生に向け、産業競争力の強化を打ち出したためだ。グローバル競争が加速するなか、問われているのは雇用や富を生む企業を支える税制のあり方だ。
(日本経済新聞2013年1月8日5面)

【CFOならこう読む】

「世界は税制改革を通じた企業の競争力強化にしのぎを削っている。米国は州税分を除いた法人税率を35%から28%に引き下げる方針。英国も24%の税率を2014年に21%まで引き下げる。」
(前掲紙)

法人税率の引き下げを、自国の企業の競争力強化のために行うという考えは捨てるべきです。重要なのは、日本における雇用と内需を拡大することです。そのためには、付加価値が高いセグメントを日本に誘致することが必須です。日本で新たな雇用を創造してもらうには、内外無差別の視点を忘れてはいけません。

この視点を欠いたまま単に法人税率を引き下げても、4社に1社しか法人税を支払っていない現状を鑑みると、大きな成果も生むとは考えられません。

そして付加価値が高いセグメント、特に知的資産を日本で創造してもらえる企業を誘致するために必要な施策、例えばインフラ整備、教育改革、行政サービス等の改革を併せて行うことが求められます。

公共投資を行うのであれば、従来の箱モノへの投資ではなく、こういった分野に集中して行ってもらいたいものです。

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