ソフトバンクの米スプリント買収計画、孫社長インタビュー、買収額引き上げず

「コスト削減効果2000億円」
 ソフトバンクの孫正義社長は30日、東京都内で記者会見し、米携帯電話3位のスプリント・ネクステルを買収することによるコスト削減での相乗効果が年約2000億円に達するとの見通しを明らかにした。対抗する米衛星放送会社の買収提案に比べ自社の条件がスプリント株主にとって有利と主張。「買収額を引き上げる必要はない」と言明した。孫社長自身が近く訪米してスプリントの主要株主に会い理解を求める。
(日本経済新聞2013年5月1日9ページ)

【CFOならこう読む】

「焦点となっていたスプリント株主に対する1株当たりの買収対価について、孫社長は独自の試算を公表。ディッシュ提案は1株当たり6・31ドルで、自社の条件はそれを21%上回る7・65ドルとした。ソフトバンクのほうが下回るとするディッシュの主張については「不完全で誤解を招く」と批判した。」(前掲紙)

孫社長は自社の提案がディッシュ案より優れている理由として次の点をあげています。

  • ディッシュ案では買収のタイミングが1年以上先になる
  • 買収に伴うスプリントの資産・負債の増減などを考慮すると、ディッシュの対価は低くなる
  • ディッシュ案に従うと有利子負債がディッシュとスプリントを合わせて500億ドル(約5兆円)にも達する
  • 衛星放送とモバイル事業に直接の相乗効果はない

両社の提案の税効果が異なると思うのですが、この点についての言及はなかったようです。

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