サーベラス保有36%に、西武株TOB、上限届かず

米投資会社サーベラスによる西武ホールディングス(HD)へのTOB(株式公開買い付け)が31日終了し、発行済み株式数の3%強の応募があったことが分かった。サーベラスの保有比率は約36%に上昇。株主総会で、経営統合など重要な議案に対する拒否権を持つ3分の1超を確保する。ただ買い付け予定数の上限には届かない。株式上場時期などを巡り膠着状態にある両社の関係に大きな変化はなさそうだ。
(日本経済新聞2013年6月1日2ページ )

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「サーベラスは、元米副大統領など8人の取締役候補も独自に提案している。西武HDの定時株主総会では、3月末時点の株主しか賛否を投じる権利を持たず、サーベラスの「持ち票」は従来の32%のままだ。
西武HDは、サーベラスの取締役選任に関する株主提案に反対するとしており、サーベラスの議案が過半数の賛成を得られるかは不透明。両者の意見の隔たりはなお大きく、膠着状態がしばらく続く可能性もある。」(前掲紙)

サーベラスがTOBによって獲得した議決権を行使するには、臨時株主総会の開催を求めることになりますが、今回の結果からすれば、臨株の開催をサーベラスが求める可能性は減退したと言えます。

とは言え、サーベラスが拒否権を確保したこともまた事実です。
この事実を真摯に受け止め、

「公開買い付けの終了を機に、西武とサーベラスのトップが直接会って、上場などを巡る交渉を前に進めてほしい。」(日本経済新聞2013年6月3日2ページ 社説 )

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