野村ホールディングス 劣後CB発行

劣後調達 最大4100億円 株式転換付1100億円 個人向け3000億円

野村ホールディングスは1日、劣後資金の調達による資本増強策を発表した。第一生命保険と信金中央金庫向けに発行する劣後特約付転換社債(劣後CB)1100億円に加え、個人向けを中心に最大3000億円の劣後債を発行する。金融危機や米リーマン・ブラザーズの部門買収に伴う費用負担で今期は赤字になる公算が大きく、最大4100億円の劣後調達で財政基盤を拡充する。
(日本経済新聞2008年12月2日7面)

【CFOならこう読む】

劣後CBとは、次の証券を言います。

「劣後債に株式転換権を付けた証券。劣後債は普通社債に比べて元利金の返済順位が低く、資本金などの「中核的資本(Tier1)」に次いで資本性の高い「補完的項目(Tier2)」として自己資本規制比率の計算に組み入れることができる。劣後CBはこの劣後債に株式転換権が付いており、株価が転換価格よりも上昇すれば、投資家が普通株に転換することで当初のTier2からTier1に全額が振り替えられる。普通社債に株式転換権が付いた通常のCBよりも、より資本性が強い資金調達手法といえる。」
(前掲紙)

本CBの転換価額は745円(12月1日終値678円を約10%上回る)、2009年1月5日から満期の2014年3月25日まで、いつでも株式に転換できます。

希薄化懸念について会社は次のように説明しています。

「本新株予約権付社債が転換された場合の希薄化は、現時点の発行済株式総数に対し、7.5%であることから、本新株予約権付社債の発行金額は市場に過度の影響を与える規模ではないと判断しました。」

なお既存株主への配慮及び資本政策の裁量を確保するため、発行から2年後以降、20連続取引日において株価が転換価額の120%以上であった場合、残存する本新株予約権付社債の全部を額面100円につき100円で償還することができる任意繰上償還条項(120%コールオプション条項)が付されています。

【リンク】

平成20年12月1日「第1回期限前償還条件付無担保社債(劣後特約付)並びに第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(劣後特約付)の発行について」野村ホールディングス株式会社