ヤオコー、パート社員に権限委譲し、高収益達成

ヤオコーの前期の売上高経常利益率は4.7%と、食品スーパー最大手のライフコーポ(2.2%)や、関東地盤のいなげや(2.0%)を上回る。パートナー社員に権限を委譲する小回りのきく経営が高収益の要因だ。
(日本経済新聞2012年6月13日13面)

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ヤオコー川野清巳社長
「パートナーさん(パート社員)を中心に全員で業務改善に取り組んでいる。毎月、発表会を開き各店舗の従業員が事例を持ち寄る。陳列の工夫や、より少ない人数で売り場を運営する事例などが出る。年100件の事例が集まり良いケースは他店舗に横展開する。」

「店舗では、大半が地元の主婦であるパートナーさんに、価格決定や商品の発注を任せる。顧客目線で適度の値引きをして売り切り廃棄ロスを減らす。売れそうな商品は多めに仕入れる。競合店と同じ商品を売っても、売上高総利益率は0.3~0.5ポイント高い。」
(前掲紙)

パートをパートとして使う限り、人件費の削減や経営効率の改善と、彼(彼女)達の利害とは一致しません。何故なら経営効率の改善とは、少ない給料でこき使われることを意味するからです。かといって正社員の採用を増やし、固定費率を上げていく選択肢もとれません。

ヤオコーは、パートの利害と経営者の利害を一致させるために、パート社員をパートナー社員と呼び、経営の一端を担ってもらうようにしているのです。

パートナー社員にとっても、単に時間を切り売りするだけでなく、やりがいをもって仕事に取り組めるというメリットもあるのです。

人件費の変動費化は、多くの企業に共通する方向性であり、ヤオコーの手法は参考になると思います。

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