【資本政策詳解】ユビキタスエナジー

ユビキタスエナジーの株式上場の概要は次の通りです。

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ユビキタスエナジーは、2005年設立、地球温暖化防止や電力自由化の進展を背景に、エネルギーコスト削減効果を有する商品・サービスや環境負荷削減効果を有する商品・サービスの発掘・販売を主たる事業領域としている会社です。

公募価格は950円、2009年3月期見込みEPSが144.21円なのでPER6.5倍という水準での株式公開となりました。新興市場への今年最初の上場とあって市場の注目は高いようですが、それにしては公開価格は相当に低いと言えます。

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ユビキタスエナジーの主な資本政策は (表2)の通りです。

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上場直前前期である2006年7月に田中社長他役員従業員に@60,000円で第三者割当増資を行った後、1株を6株に株式分割を行った上で、直前期である2007年7月に、クレディセゾン他に@80,000円でラストファイナンスを行っています。@60,000円と@80,000円ですから同じような株価で増資しているように見えますが、株式分割を挟んでいるので、1年で株価は8倍に吹き上がったことになります。
評価方法は両者ともに同じであることから見ても、これだけの価格差になることがどのように説明されるのか私にはわかりません。

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田中社長単独で過半数の株式を確保、役員と合わせて2/3超を確保する資本構成になっています。従業員へのインセンティブは、従業員持株会とストックオプションによっています。これにより潜在株式の比率は9.04%(上場直前時点)と相当に高い水準になっています。

ユビキタスエナジーは、自社で何らかの技術を有しているわけでなく、中小規模事業者を対象とする電子ブレーカーやWeb作成ソフトウェアの販売と一般家庭向けのエコキュート及びIHクッキングヒーターの販売を主な授業としています。ユビキタスコンピューティングやユビキタスネットワークに関連した事業を行っているわけでもないようです。

この会社少し胡散臭くないですか?

【リンク】

株式会社ユビキタスエナジー