JFE初の減配

JFE、初の減配 今期、80円配

JFEホールディングスは10日、2009年3月期の年間配当を前期より40円少ない80円にすると発表した。
減配は2002年の発足以来、初めて。世界的な鋼材需要の冷え込みで、今期の純利益は前期比ほぼ半減の1300億円にとどまる見通し。同社では連結ベースの配当性向25%程度を配当の目安にしており、年80円配当を実施した場合は34%となる。
(日経新聞2009年3月11日 17面)

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JFEは次のように、今期を最終年度とする3カ年の中期計画の中で3年間平均で25%程度の配当性向をめざすと公表していました。

当社は株主への利益還元を最重要経営課題のひとつと考えており、グループ全体として持続性のある企業体質の確立を図りつつ、積極的に配当を実施してまいります。
具体的には平成18年3月に策定いたしました第2次中期経営計画の期間(平成18年度~平成20年度)におきましては配当性向(連結ベース)を25%程度とすることを基本として検討してまいります。
また、内部留保資金につきましては成長に向けた戦略的投資、研究開発活動の強化等への活用と財務体質の改善にも充当する方針です。
上記の基本方針を踏まえ、当事業年度の配当金につきましては、期末配当金を1株当たり60円とし、年間では、既に実施いたしました中間配当金と合わせて1株当たり120円としております。
当社は、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めており、配当回数については年2回を基本とし、中間配当については取締役会、期末配当については株主総会を配当の決定機関としております。

(注) 当事業年度を基準日とする剰余金の配当の取締役会または株主総会の決議年月日、配当金の総額および1株当たりの配当額は以下のとおりであります。
取締役会決議日 平成19年11月7日配当金の総額 34,579百万円 1株当たりの配当額 60円定時株主総会決議日 平成20年6月26日配当金の総額 34,283百万円 1株当たりの配当額 60円
(2008年3月期有価証券報告書より)

今期80円配当に減配しても配当性向は34%を確保しているので特段問題がないとも言えます。
しかし、投資家の中には120円配当を期待していると人も少なからずいると考えられることから、減配の意思決定が3月に入ってからというのは、時期として適切なのかどうかという点について若干疑問に思います。

平成21年1月30日の業績予想の修正発表時に意思決定すべきではないかと、私は思います。

【リンク】

平成21年3月10日「平成21年3月期 期末配当について」JFEホールディングス株式会社