連結制度導入による繰延税金資産の回収可能性増大

2011年3月期に、企業グループを一つの法人とみなして課税する連結納税制度を導入する企業が相次ぐ。赤字子会社などがある場合に損益を通算したり、子会社の繰越欠損金を使うなどして最終的な税負担を軽減できる。
(日経ヴェリタス2010年10月10日12面)

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「相鉄ホールディングスは8月、国税庁から承認を受けて2012年3月期に適用を始めると四半期報告書で開示した。制度改正で子会社の繰越欠損金を活用できる点に着目しており、2010年4~6月期から制度導入を前提にして税効果を算定している」(前掲紙)

2010年4~6月期の四半期報告書において、相鉄ホールディングスは追加情報として以下の開示を行なっています。

追加情報

当社及び当社の一部の連結子会社は、平成24年3月期より連結納税制度の適用を受けることにつき、国税庁長官の承認を受けました。また、当第1四半期連結累計期間より「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する
当面の取扱い(その1)」(実務対応報告第5号)及び「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」(実務対応報告第7号)に基づき、連結納税制度の適用を前提とした会計処理をしております。

「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」(実務対応報告第5号)及び「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)」(実務対応報告第7号)は「法人税に係る繰延税金資産については連結納税主体を一体として回収可能性を判断する」としています。

つまり、連結納税制度導入前においては、赤字子会社の繰延税金資産の一部が回収不能と見込まれていた場合でも、連結納税導入により回収可能性を連結グループ全体で判断するようになるため回収可能と判断され、結果として繰延税金資産が積み増しされるケースがあるのです。相鉄ホールディングスの場合、連結納税制度導入は来期からですが、すでに国税庁長官の承認を得られたことから、連結納税制度の適用を前提とした会計処理を行なっています。

以下に四半期報告書からPLの税金等調整前四半期純利益以下を抜粋してみます。

2009年4~6月期 2010年4~6月期
税金等調整前四半期純利益 1,316 3,503
法人税、住民税及び事業税 1,247 1,720
法人税等調整額 △0 △828
法人税等合計 1,246 892
少数株主損益調整前四半期純利益 - 2,611
少数株主利益 3 △5
四半期純利益 66 2,617

法人税等調整額の(マイナスの)増加は、連結納税制度導入による部分が大きいものと思われます。

【リンク】

「四半期報告書(第143期第1四半期)」相鉄ホールディングス株式会社 [PDF]