貸し渋りの実態調査開始

金融庁と中小企業庁、中小金融の実態調査を開始

金融庁は6日、中小企業庁と共同で地方の中小企業の業況や資金繰りの実態調査を開始した。全国150カ所の企業が対象。金融庁は中小金融の円滑化を進めているが、調査の結果次第では追加の対策を打ち出す可能性もある。
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2C0601O%2006102008&g=E3&d=20081006

【CFOならこう読む】

「「期限直前になって借り換えはできないと言われた」と訴える中小企業が増えてい
るという。」
(日本経済新聞 2008年10月7日 5面 視点より)

私の周りにも、これに近い話がたくさんあります。今頃調査を開始するというのでは、遅きに過ぎますが、やらないよりはまし、早急に対策を講じてもらいたいと思います。

昨日の国会でも、北側公明党幹事長の「金融機関による貸し渋りがある。柔軟な融資をすべきだ」という質問に対し、中川財務・金融担当相は、「金融機関が目の前の赤字や債務超過といった数字だけでなく、地域に密着した企業の良い面を把握できるようにしなくてはならない。金融庁として、関係団体に柔軟にきめ細かく対応するよう指示している」、与謝野経済財政担当相も「融資保証の業種拡大などは思い切ってやる。11月の早々には新制度による保証が可能となるよう準備を始めている。国会でも配慮をお願いしたい」と答弁しています。

問題の一端は、昨年10月の信用保証制度の変更にあります。従来は協会が損失の全額を負担していたが、新たに金融機関が2割を負担する「責任共有制度」に変えたことにより、中小企業に対する金融機関の融資姿勢が慎重になっているといるのです。
「保証協会が保証すると言っても融資を断る金融機関がある。制度変更が『貸し渋り』を招いている」(東京中小企業家同友会)状況を打開するためには、全額協会負担に戻す以外ないでしょう。

日本経団連の御手洗会長が、昨日、記者会見を行い、「補正予算案を早期に成立させ、中小企業の資金繰り対策や個人・企業への減税など緊急の経済対策を検討すべきだ」との緊急提言を行ったとのことですが、そんな他人事のようなことを言っている場合ではありません。事態を見据えた具体的な提案を行ってもらいたいものです。

経団連会長、追加対策を緊急提言
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20081007AT3S0601W06102008.html
日本経団連の御手洗冨士夫会長は6日の記者会見で、米金融危機を引き金に世界経済への不透明感が強まったことを受け緊急提言を公表した。まず必要なのは「各国政府、金融当局が協調し、金融システムを沈静化すること」と指摘。次に国内では「補正予算案を早期に成立させ、中小企業の資金繰り対策や個人・企業への減税など緊急の景気対策を検討すべきだ」と追加策を求めた。

「補正予算案の早期成立を望む」と題した提言をまとめた。国内外の景気情勢は「米国発の金融システム不安が広がり、世界同時不況への瀬戸際に立たされている」と言及。6日の日経平均株価の下落に関しては「金融不安が欧州にも飛び火し、市場はこれからも(危機が)出てくると読んで株価に表れている」との見方を示した。(07:01)

【リンク】

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