【資本政策詳解】アサカ理研

【CFOならこう読む】

アサカ理研の株式上場の概要は次の通りです。

アサカ理研は、電子部品などからの貴金属回収のほか、治具洗浄、シリコン基板の再生、エッチング液の再生を展開している福島県郡山市の会社です。現社長の山田慶太氏のお父さんである山田盛久氏が1969年に設立し、慶太氏が1994年に跡を継いでいます。

公募価額800円、2009年9月期見込みEPSが146.43円なのでPER5.5倍という水準での株式公開となっています。

アサカ理研の主な資本政策は (表2)の通りです。


山田慶太氏が社長に就任した前後に、株式移動が行われたものと思われます。近年資金調達は銀行借入によっており、増資等のエクイティ・ファイナンスは行われていません。

(表3)はアサカ理研の株主構成です。

山田慶太氏、盛久氏、慶太氏のお母さんが取締役を務めている(?)(有)モラル・コーポレーション合計で64%の持分を確保する資本政策になっています。平成20年8月末時点で従業員数138名、従業員持株会は設立しておらず、従業員のインセンティブはストックオプションによっています。

盛久氏が高齢であることから、相続対策の色彩が濃厚なIPOです。株主には山田性が散見されます。売出は盛久氏のみ行っています。これも持株の一部を現金化しておきたいという相続を考えてのことと思われます。

【リンク】

株式会社アサカ理研
http://www.asaka.co.jp/index.html