米グーグルが、クーポン共同購入サイトの米グルーポンを買収へ

米欧メディアは30日、インターネット検索最大手の米グーグルがクーポン共同購入サイトの米グルーポンを買収する方向で大詰めの交渉を進めていると報じた。買収額は50億ドル~60億ドルとみられ、グーグルの買収案件では過去最高額。地域密着の事業を展開するグルーポン買収で広告事業を強化する。
(日本経済新聞夕刊2010年12月1日)

【CFOならこう読む】

クーポン共同購入といってもご存じない方も多いと思います。

これは簡単にいうと次のようなものです。

時間限定・数量限定で割引クーポンの応募を募り、規定の応募があった場合にのみ、応募者に50%以上の割引クーポンを販売するもので、チラシを配ったり、広告を掲載する代わりにクーポンを発行すれば、サイト経由で多くの顧客にリーチすることができます。

グルーポンのオーナー経営者はアンドリュー・メイソン。まだ30歳そこそこの青年です。

「2008年にシカゴで会社を設立してからわずか2年余りで、欧州・アジアなど29ヶ国、200都市に進出。米国内で2日に1都市、世界では2ヶ月に1ヶ国のペースで新市場を開拓している」(日経ビジネス2010年9月13日号29頁)

今年8月には、この6月より「Q:pod(クーポッド)」を展開していた株式会社クーポッドを買収し、日本市場にも参入しています。M&Aを駆使することにより猛烈なスピードで世界の市場を開拓しているのです。

グーグルによる米グルーポン買収価額50億ドル~60億ドルは、今年ヤフーがグルーポン買収の際に提示した20億ドル~30億ドルを「大幅に上回る」ものであると伝えられています。
「米グーグル、グルーポン買収で近く合意の可能性=報道」ロイター 2010年12月1日

M&Aはスピードを買うものであると言われますが、スピードを買って掴んだのは単なる紙屑であったということもよくある話です。グルーポンの場合は会社を買うというより、ローカルの運営者を買うという側面が強く、M&Aが失敗に終わるリスクが比較的低いモデルであるのでしょう。

いずれにしても日本のクーポッドはサービス開始からわずか2ヶ月でグルーポンの傘下に入り、1年も経たないうちにグーグルの傘下に入ることになるかもしれず、そのスピードには正直驚かされます。

【リンク】

GROUPON