金融商品の時価評価、G7で議題に・FRB議長「市場、不安定に」

【ワシントン=藤井一明】米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は10日、バージニア州の講演後の質疑応答で「流動性の低い市場では時価評価の会計によって不安定になることがある」と述べ、証券化商品などの時価評価がもたらす損失の拡大で市場が揺さぶられているとの認識を示した。時価評価の問題は 11日にワシントンで開く7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で取り上げられる見通しとなった。G7会議の関係者が10日、明らかにした。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080411NTE2INK0311042008.html

【CFOならこう読む】

状況が悪いときに、それを測るモノサシを変えてしまおうという発想は日本の専売特許だと思っていましたがそうでもないのですね。
日本ではこんなことがあったのをご記憶の方も多いと思います。

「1998年3月期より銀行が保有する有価証券の評価方法について、それまで用いられていた低価法に加えて原価法による評価も認められることとなった。これは1997年から1998年の株価の大幅な下落に伴って、銀行が保有する株式の時価が簿価を下回る事態が続出し、これまでのように低価法を採用すれば評価損の計上によって収益の大幅な減少(すなわち自己資本の大幅な減少)が見込まれたことが背景にある。1998年3月期決算では都銀8行のうち東京三菱銀行を除く7行が株式について原価法に変更し、合計で約2兆円の評価損の計上を免れることとなった。」(郵政研究所月報2000.10)

このとき、「日本は国家ぐるみで粉飾をする国だ」と世界各国から袋叩きにあいました。今度のG7では日本が「時価会計見直し」を批判する番です。断固たる態度で反対意見を表明することを望みます。

【リンク】

なし