日本経済センター提言、基礎年金税方式に、法人税率引き下げと組み合わせる

日本経済研究センターは16日、税制と社会保障制度を一体改革する提言をまとめた。基礎年金は消費税を財源とする税方式に移行。国際的にも高い法人税率の引き下げを
組み合わせる。企業の保険料・税負担を軽減し。経済に民間活力を呼び込む改革を目指す。

(日本経済新聞2011年5月17日5面)

【CFOならこう読む】

具体的な提言について、今日の経済教室で岩田一政氏が説明しています。

要約すると次の通りです。

<給付>
基礎年金 ・・・ 月6.5万円を7万円に増額
報酬比例部分 ・・・ 民営化。すでに払い込んだ分は納付実績に応じて給付継続(A)

<負担・財源>
基礎年金国庫負担 ・・・ 負担割合を現状の2分の1から全額に
保険料 ・・・ 本人・事業主負担とも廃止
消費税 ・・・ 1%ずつ計15%引き上げ、20%に
法人税 ・・・ 実効税率を約36%(11年度改正後)から約26%にする
公債発行 ・・・ 報酬比例部分(A)の給付を補うため超長期国債を発行

消費税率は2013年度に5%引き上げ、その後1%ずつ段階的に引き上げるのは、消費税率が上がる前に駆け込み消費が起き、可処分所得が増えれば民需が膨らむことを期待したものということです。

所得税はどうするのか、という疑問は残りますが、全体的な方向感としては良いと思います。

【リンク】

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