キリンHD、A+に格下げ

格付投資情報センター(R&I)はキリンホールディングスの格付けをAA-からA+に変更した。格付けの方向性は安定的。
キリンHDは、ブラジルの飲料メーカー、スキンカリオール・グループを子会社化すると発表した。39.5億レアル、円換算で約1988億円にて株式の50.45%を取得する。
同グループはブラジル2位のビール事業に加え、3位の炭酸飲料を含む清涼飲料事業を展開している。
(日経ヴェリタス2011年8月7日22面)

【CFOならこう読む】

「今回の買収資金の大半を外部調達で賄う予定。D/Eレシオは0.9倍程度に、純有利子負債のEBITDAに対する倍率も3倍近くに悪化する。中期経営計画に掲げる2012年12月期末のD/Eレシオ0.5倍の達成はかなり難しい状況にある」(前掲紙)

企業買収に限らず投資の資金調達方法は、最適資本構成との関連で決定されるべきです。D/Eレシオ0.9倍が最適資本構成であると判断されるなら、CFOとしては格付けが下がっても全く気に
することはないでしょう。ただし、中期経営計画のD/Eレシオ0.5倍を変更しないのであれば、いかにこれを達成するかについて、すみやかに投資家に示す必要があると思います。

【リンク】

2011年8月2日「スキンカリオール・グループの株式の取得(子会社化)に関するお知らせ」キリンホールディングス株式会社