米予算教書、富裕層増税盛り込む

オバマ米大統領は13日、2013会計年度の予算教書を米議会に提出した。短期的に米景気を下支えする経済政策を実施する一方、富裕層向けの増税を盛り込み、長期的に財政健全化路線を進めることを強調した。
(日本経済新聞夕刊2012年2月14日3面)

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「大統領は一方で、「非常に豊かな人々には減税は要らない」と明言。現在は12年末が期限となっている所得税等の大型減税(ブッシュ減税)について、世帯年収が25万ドル(約1900万円)超の富裕層では延長せず、増税する方針を改めて表明した。米財務省によると、具体的には富裕層の所得税率を最高39.6%に戻す(現在35%)ほか、現在最高15%となっている配当課税の税率について、富裕層は所得税と同じにする。キャピタルゲイン課税は現在の最高15%から富裕層は20%に引き上げる。これらの富裕層増税により、約1兆4000億ドルを確保する計画だ」(前掲紙)

配当課税の税率引き上げが実現すれば、株主配分として配当から内部留保や自社株買いに変更する企業が多くなるように思います。また、配当からキャピタルゲインに所得区分を変換するスキームがまたぞろ利用されるようになるでしょう。

また、プライベートエクイティやヘッジファンドなど投資会社が受け取るキャリード・インタレスト(成功報酬)への課税強化や外国税額控除の見直しについても言及しています。

「オバマ大統領が今秋の大統領選で再選できても、同時に行われる議会選で民主党が上下両院を制することができなければ、実現は容易でない」
(前掲紙)

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