ソフトバンク/イーアクセスの株式交換比率見直しへ

経営統合を決めたソフトバンクとイー・アクセスは10月1日に決定した株式交換比率を見直す方向で調整に入った。米スプリント・ネクステルの買収が明らかになった10月中旬以降、ソフトバンクの株価が大幅に下落したことに対応する。
(日本経済新聞2012年11月1日11面)

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「10月1日にイー・アクセス買収を発表した際のソフトバンク株の基準価格は3108円。しかし10月31日終値は2527円と基準価格に比べ18.7%低い。イー・アクセス株の買い取り価格は1株5万2000円、買収総額は約1800億円とする計画に大きな変更はないとみられる。」(前掲紙)

株式交換比率について、10月1日のプレスリリースは次のように説明しています。

「本件交換比率は、イー・アクセスの普通株式の評価額を1株52,000円とし、これを本契約締結日前日までの3ヶ月間の株式会社東京証券取引所におけるソフトバンクの普通株式の普通取引の終値の平均値(1円未満の端数はこれを切り上げるものとする。)である1株3,108円(以下「本件基準価格」)で除した数である16.74(以下「本件交換比率」)とします。但し、本契約締結日後(同日を含まない。)の10取引日間の株式会社東京証券取引所におけるソフトバンクの普通株式の普通取引の終値の平均値(1円未満の端数はこれを切り上げるものとし、以下「公表後基準価格」)が、本件基準価格の85%未満である場合には、本件交換比率は、52,000円を公表後基準価格で除した数(小数点第2位未満は切り上げるものとする。)に調整されるものとします。」

この調整条項は、株式交換による希薄化の影響がある場合に、その影響を株式交換比率に織り込むために設けられたものと思われますが、米スプリント・ネクステルの買収が明らかになった10月中旬以降、ソフトバンクの株価が大幅に下落していることを受け、株式交換比率の見直す方向で調整に入ったということです。

昨日(10/31)の終値ベースによるイー・アクセスの時価総額は1,398億円でした(Yahoo!ファイナンスによる)。

なお、総務省による周波数帯割当の関係で、最終的なソフトバンクの持株比率を1/3未満とする可能性もあるということです。

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