アデランスの経営改善策発表

アデランスホールディングスは15日、店舗閉鎖などを柱とする経営改善策を発表した。筆頭株主である米投資ファンドのスティール・パートナーズの意向を反映し、コスト削減を優先する形になった。女性用かつらの強化など成長のための具体策は示さなかった。スティールが経営に深く関与する初めての事例だが再建の成否は不透明だ。
NIKKEI NET2009年7月16日

【CFOならこう読む】

何のコミットメントもない、相当期待はずれな内容です。

主な経営改善策は次の通りです。

1.マーケティング戦略の刷新と成長投資によるお客様満足のさらなる向上
2.店舗のスクラップ・アンド・ビルドと店舗管理の徹底
年間6億円の経費削減
3.事業・業務改善による強固な経営体質の構築
固定費削減、国内外子会社の統廃合、サプライチェーンの改善により15億円の経費削減及び必要運転資金の軽減を目指す。
連結納税制度の早期導入により10億円の法人税削減を目指す
4.ノンコア事業および資産の整理
コア事業用以外の不動産(簿価約40億円)や有価証券(簿価約95億円)などのノンコア資産の売却により現金化を図ります。さらに合計年間約3億円の経費削減を目指す。
5.グループ会社間のシナジーの追求
6.グループ・キャッシュ・マネージメントによる資本の効率化
7.人事制度の刷新と社員教育の徹底
8.コンプライアンス体制の強化
9.コーポレートガバナンスの強化と株主価値向上策

通期の業績見通しの発表は10月初旬だそうです。これってあまりに遅くないですか?

スティールは、財務数値に落とし込めるような経営改善策もないまま、経営陣を送り込んだということですか?

きちんと説明しないとわかりませんよ。

【リンク】

2009年7月15日「『アデランスグループ経営改革』”DIO(ディオ)”の骨子」に関するお知らせ」株式会社アデランスホールディングス[PDF]