吉野文六 「沖縄密約」認める

1972年の沖縄返還を巡り、日米両政府が交わしたとされる密約文書の存否が争われている訴訟の第4回口頭弁論が1日、東京地裁(杉原則彦裁判長)で開かれ、吉野文六・元外務省アメリカ局長(91)が証人として出廷した。当時の日本政府の交渉担当者だった吉野氏は日本政府がこれまで否定してきた密約の存在を法廷で初めて認めた。
(日本経済新聞2009年12月02日1面)

【CFOならこう読む】

今年読んだ小説の中では、山崎豊子の「運命の人」が圧倒的に面白かった。

この小説は、「沖縄密約」の報道を巡り毎日新聞の新聞記者(西山氏)が国家権力の手で世間から葬り去られる様を克明に描いており、私はこれを日本国の政官およびマスコミの癒着の物語として読みました。

「法廷では、原告の元毎日新聞記者、西山太吉氏(78)と吉野氏が再会を果たした。西山氏の判事裁判、吉野氏が出廷して以来、37年ぶり。主尋問終了後、吉野氏が西山氏に近づき、笑顔で握手。静かになったら2人で会う約束をしたという。」
(日本経済新聞2009年12月02日34面)

これが「運命の人」のエンディングであったなら、小説の読後感は大分違ったものになったでしょう。

今年の流行語大賞は”政権交代”に決まりましたが、個人的には”脱官僚!?”です。

それにしても、沈まぬ太陽の映画化、不毛地帯のドラマ化と合わせて今年は山崎豊子さんの年でした。

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