対ドル為替対策

収益環境や経営の価値観が変容するなか財務も対応を迫られる。シリーズ第3部では新たな枠組みの模索を追う。1回目は揺れるドルや通貨の多様化など為替対応。
(日本経済新聞2009年12月16日17面)

【CFOならこう読む】

下表は1円の円高で利益が減少する金額を5年前と比較したものです。

(日本経済新聞2009年12月16日17面)

(日本経済新聞2009年12月16日17面)

ソニーが50億円減らしています。

「ここ15年ほどの対応で大手家電の一部では生産・調達の海外移転によるコストのドル化が進み、いまでは対ドルについては円高対策に「ほぼメドが付いた」
(ソニー)」(前掲紙)

「ソニーはゲームなど、海外に生産委託している一部の製品に、円高・ドル安がむしろプラスに働くものがある。アジアで製造・調達する製品・部品などをドル建てで仕入れ、その金額がドル建ての売上より多くなっているからだ。」(前掲紙)

一方ユーロの影響は相対的に大きくなっています。

「ユーロの国際通貨としての機能が限定的で、ユーロ建てのコストを増やさないことが背景にある。」(前掲紙)

記事は、人民元の動向に対する対応が中長期の課題であるとしています。

しかし上がるか下がるかわからない、ドルやユーロとは違い、人民元は将来的には切り上がると思われます。従ってこれは為替対策というより、生産地選択の問題です。

ソニーの場合、「もの作りと通貨の関係を固定せず、機動的な調達・為替対応が可能になる生産戦略」(前掲紙)をアセットライト戦略と呼び、これにより中長期の元高
に対応しようとしており、参考になります。

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