韓国コスダック、日本で積極誘致

日本の新興企業による韓国取引所(KRX)での上場が急速に増える可能性が出てきた。このほど来日したKRXの新興市場「コスダック」の市場本部長、パク・サンジョ副理事長は日経ヴェリタスの取材に対し、「日本企業9社がすでに韓国の証券会社と主幹事契約を結び、韓国上場を目指している」と語った。KRXの今年のIPO(新規株式公開)件数は80~90社に達する見通しで、30社前後が見込まれる日本を大きく上回りそうだ。
(日経ヴェリタス2010年6月10日17面)

【CFOならこう読む】

「日本企業が韓国上場を目指すのは、日本の取引所に比べて審査期間が短く、低コストで、しかも上場基準が比較的緩いためだ。コスダック市場には昨年4月にインターネット広告のネプロアイティーが日本企業として初めて上場。今年に入り外国為替証拠金取引(FX)大手のクリック証券が上場を申請中。認可されれば2社目の韓国上場になる
(中略)
コスダックの上場審査期間は約2ヶ月で、上場準備に入ってから実際に上場するまで1年程度しかかからない。日本では通常3年程度かかるという」(前掲紙)

エフオーアイ事件の余波が広がっています。例によって市場、証券会社、監査法人の責任を問う声が強まっています。

そうして日本の新興市場はますます萎縮し、消えてなくなるのでしょうか?消えてなくなっても韓国や香港で上場すれば良いので特に困ることはないと言うのでしょうか?

東京AIMがいまだ上場ゼロなのも証券会社が自らの責任が重すぎて割に合わないと考えているからです。

新興市場は本来非常にリスクが高い市場です。新興市場に上場する企業は、会社が若く、一般に管理体制も未整備であるわけですが、これも大きなリスクです。上場審査を厳しくするというのも一つの方向性ではありますが、コスダックのように上場のハードルを低くするというのも一つの方向性です。

エフオーアイのような会社はこれからも出てきます。市場、証券会社、監査法人の責任はもちろん問われなければならないでしょう。
重大な過失又は故意によるものであるなら、その責任は非常に重いと言えます。

しかし投資は投資家の自己責任で行なわれるべきことを忘れてはいけません。新興市場はとてもリスクが高い市場です。そのことを十分認識した上で投資をすべきです。

投資をする前に財務諸表ぐらいには目を通すべきです。粉飾しているかどうかまではわかりませんが、リスクの高低はわかります(決して難しい話ではありません)。

そういう手間をかけたくない人は、新興市場なんぞに手を出すべきではないのです。

【リンク】

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