ソニー1000億円規模の普通社債発行へ
ソニーは1000億円規模の普通社債を6月上旬にも発行することを明らかにした。業務の運転資金や2010年3月に控える400億円の普通社債の償還資金などにも充当するという。経済環境の先行きに不透明感がぬぐえないなか、外部調達で手元資金を厚めに確保する。
(日本経済新聞2009年5月13日17面)
【CFOならこう読む】
ソニーの自己資本比率の推移は次の通りです。
2003年度 | 2004年度 | 2005年度 | 2006年度 | 2007年度 | 2008年度1Q | 2008年度2Q | 2008年度3Q |
26.2% | 30.2% | 30.2% | 28.8% | 27.6% | 28.1% | 26.5% | 25.4% |
また営業活動によるキャッシュ・フローの推移は次の通りです(単位:百万円)
2003年度 | 2004年度 | 2005年度 | 2006年度 | 2007年度 | 2008年度1Q | 2008年度2Q | 2008年度3Q |
632,635 | 646,997 | 399,858 | 561,028 | 757,684 | △216,937 | 72,859 | 85,840 |
上の数値を見るだけで、ソニーの財政状態の悪化は明らかです。
そのうえ、償還期日が近づいている社債が次の通りあります(単位:百万円)
第8回2号無担保普通社債 | 社債残高 |
(2010年7月26日) | 4,900 |
第9回無担保普通社債 | 社債残高 |
(2010年9月13日) | 50,000 |
第15回無担保普通社債 | 社債残高 |
(2010年9月8日) | 50,000 |
第18回無担保普通社債 | 社債残高 |
(2010年2月28日) | 40,000 |
この状況下で重要なのは、生き残ることです。
そうであるなら、東芝のようにエクィティファイナンスにより十分な資金を確保すべきであると私は思います。
ソニーの最近の資金調達は場当たり的な感じが否めません。
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