日本最大のインド人コミュニティー、西葛西

東京の東端、江戸川区の西葛西に日本最大のインド人コミュニティーがあるのをご存知だろうか。地下鉄西葛西駅近くにある3カ所のUR(都市再生機構)賃貸住宅や民間マンションを中心に約2000人ものインド人が住んでいる。日本におけるインド国籍の外国人登録者数は約2万2000人。その1割がここに住む。
2012年6月6日 日経ビジネスオンライン「IT技術者への需要が、西葛西にインド人街を生んだ 東京にも“ガンジス川”が存在する!?」

【CFOならこう読む】

「西葛西にインド人が増えたのは2000年代の前半から。日本でIT技術者を求める需要が高まり、IT産業が急成長したインドに注目が集まった。2000年に当時の森喜朗首相がインドを訪問して、IT分野における協力推進で合意。同国の技術者が日本に滞在するビザを容易に取得できるようにした。これをきっかけに、来日するインド人が増えた。」(前掲誌)

なぜ西葛西か。

ヒンズー教寺院があり、ベジタリアン専門のインド料理店があり、成田が近く、荒川を見て故郷の川に思いを馳せることができるからだそうです。

ただし、西葛西に住むインド人IT技術者のほとんどはインドか外資系企業の社員で、勤務する会社が日本企業から業務を受託し、その期間だけ日本で働いているので、2~3年で帰ってしまう人が多いそうです。

「インドのソフトウェア産業に詳しい拓殖大学の小島眞教授は「日本ではIT技術者の位置付けが低いが、インドでは優秀な人がこの世界に行く。しかも日本企業は外国人を管理職に登用することが少ないため、彼らは日本企業に入りたがらない」と指摘する。
 今、日本では、国際的に活躍できるグローバル人材の必要性が声高に叫ばれている。人口減少や企業の海外展開が進んでいることが背景にある。インドのIT技術者も有力なグローバル人材に違いない。日本企業が彼らを十分に使いこなすことができないとすれば、心配だ。」
(前掲誌)

20年前、私が会計士になった当時、監査クライアントであった欧州系の証券会社のリスク管理責任者としてインド人が出てきたのを見てとても驚いたのを覚えています。話を伺って、その知識の深さ、正確さにまたビックリ。日本の会社も、いつかこういう人をスペシャリストとして迎え入れる時が来るのだろうなあと思いましたが、その時はまだ来ていません。

昨日のエントリー(2012年6月5日「対外純資産世界一、実態は日本回避 − 大前研一氏」)でヒト・カネ・モノを呼び込む必要性を強調しました。海外の企業を買収するのも良いですが、優秀な人材を世界から迎え入れることはもっと重要だと思うのです。

本社にグローバルな人材を受け容れて、はじめて日本企業はグローバル企業に進化することができるのだと、私は思います。

【リンク】

なし