ハイパーインフレを心配するのはまだ早いー岩井克人

・総需要落ち込みがデフレを招き不況を深刻化
・デフレは確実に資本主義を長期停滞に導く
・ハイパーインフレを心配するのはまだ早い
(日本経済新聞2013年3月14日28ページ 経済教室 岩井克人国際基督教大学客員教授)

【CFOならこう読む】

ハイパーインフレのリスクを岩井教授がどう考えているか、興味深く読みました。

「だが、デフレはすべて悪であるが、インフレはすべて善ではない。それは、さらなるインフレを予想させてインフレをさらに強めるという悪循環に転化する可能性を常に秘めている。その行き着く先であるハイパーインフレこそ、貨幣の存立構造それ自体を崩壊させる最悪の事態である。
 好況は多数の人が永続することを願っている。その多数の声に逆らって、善きインフレが最悪のハイパーインフレに転化するのを未然に防ぐ政策を実行すること、それが中央銀行の独立性の真の理由である。しかし、その心配をするのはまだ早い。いまはインフレ基調の確立により総需要が刺激され、日本経済が長期にわたる停滞から解放されることを切に望むだけである。」(前掲稿)

ハイパーインフレを心配するのはまだ早い、というのが本稿での岩井教授の結論です。
しかし「善きインフレがハイパーインフレに転化するのを未然に防ぐ政策」が具体的にどのようなものであるかは本稿では示されていません。

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